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コロナウイルスPCR検査

ホームページのトップに出ましたが、当院では主に唾液を用いたPCR検査を近く導入予定としています。夏になっても都市圏では感染が収まることはなく、広島でも徐々にですが、確実に広がってきています。

大事なことは高齢者、基礎疾患を持っている患者さん達にうつさないことです。軽症者ばかりだから問題ないというわけではありません。さらに指定感染症から外されていないため、病院の稼働できる病床を圧迫していきます。本当に必要な医療が受けれない体制になってくることが怖いところです。

8月に入り、10月はもうすぐです。インフルエンザが流行しはじめると、インフルエンザなのかコロナウイルスなのかの鑑別が医師を困らせます。

もう、コロナウイルスの治療、検査は保健所、指定医療機関に任せるというわけにはいきません。感染対策のため、院内の敷地に発熱患者、濃厚接触者用のプレハブを作る予定です。早急に建設し、風邪症状のない患者さんが安心して通院できる瀬尾医院をスタッフ一同で作り上げていきます。

当院で導入予定のコロナウイルスPCR検査ですが、医師が必要と判断した場合には公費で検査費用は支払われます。

会社から求められている、東京から帰ってきたので検査したいなどの要望にはどうしていくかは現在は検査会社と協議中です。

お問い合わせがあればメールフォームから連絡ください。

2020.08.06 |

劇場クラスターと抗体検査

当院でも抗体検査を行っているため、再度書いておこうと思います。新宿の劇場でクラスターが発生しました。関係者によると抗体検査を実施して陰性だったから、、、とあります。

当院の説明にも書いていますが、抗体検査は症状がある時の感染有無を判定するのには不適切です。抗体検査はあくまで過去の感染履歴を確認するものです。体調不良を訴えていたのであれば、抗体検査ではなくPCR検査か抗原検査を受けるべきでした。というか、この時期に体調不良があったのであれば人前に出るのは控えるべきでありました。抗体検査を行って医師がどのように説明したかは分かりませんが、検査を受けるにしても近くて安いところが良いというわけではなく、検査の知識がある医療機関で受けたほうが良いと思われます。

2020.07.14 |

コロナの後遺症

ここ数日でコロナウイルス感染後の後遺症がやばいとメディアが放送しているのが目につきました。医学雑誌(JAMA)に掲載された論文が根拠になっているようです。一緒に読んでみましょう。

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2768351?guestAccessKey=d1667efd-96a5-4e29-96a6-040ef09c54ef&utm_source=silverchair&utm_medium=email&utm_campaign=article_alert-jama&utm_term=mostread&utm_content=olf-widget_07102020

7月9日にイタリアから発表されたようです。143人のコロナウイルスで入院した患者さんを対象にアンケートをとっています。結果は以下のようになっています。国立国際医療研究センター病院の忽那先生が和訳の表を作成してくださっていたので引用させてもらいます。

患者さんの87.4%が退院後にも何らかの症状を訴えていることが分かりました。55%の半数以上の方は3つ以上の症状があるようです。これだけ聞くと、なんて恐ろしい病気なんだと思いますよね。

次に患者さんの特徴を見ていきましょう。

Demographic and Clinical Characteristics of the Study Sample (N = 143)

年齢の中央値が56.5歳、最も多い合併症が高血圧で35%、心不全やCOPDといった合併症がある人も4.9%、9.1%います。肺炎を起こしていた患者さんが72.7%、酸素投与を受けていたのが53.8%、人工呼吸器が4.9%です。急性期の症状が出てから約60.3日後にアンケートを回答した人が多いようです。生活の質(QOL)が悪くなったという人が44.1%います。

87.4%の人が退院後も症状があると言っていますが、生活の質が低下したと答えているのは44.1%と約半数にとどまっています。

この結果を解釈するのに注意点がいくつかあります。

①入院患者さんが対象となっている=比較的重症患者さんが多い

②1施設のみの集計

③コロナウイルス以外の肺炎などでも治癒後の症状が残ることはある

④コロナウイルスにかかる前から倦怠感や息切れがあったかは聞かれていない=心不全やCOPDがある人はコロナウイルスにかかる前から何らかの症状があってもおかしくないですよね。

⑤アンケートなので、聞かれたら何となくそうかもしれない、、、と答えてしまうバイアスが出てくる。

以上のような注意点があるため、このデータから後遺症が8割以上の人に残りますよ!とはなりません。

ただ、感染後にも苦しんでいる人がいるのは事実なので感染しないように手洗い、マスク、感染者がいそうな密になる場所には出向かないというのが大切なことに変わりはありません。

2020.07.14 |

患者数が増えてるのは検査が増えてるせい?

東京での感染者数が200人を超え、それに呼応するかのように地方の感染者数も増えてきています。広島でも7月13日に3人の陽性者数が発表されました。

小池都知事や政府発表では感染者数が増えているのは積極的に検査をおこなっているからであり、4月とは状況が違うと言っています。本当にそうでしょうか?

検査を行えば陽性者数が増えるのは当たり前のように聞こえますが、そうではありません。ニューヨークってどうなった?で紹介させていただいたデータでは検査数は右肩上がりでしたが、感染者数は減ってきていました。さらに国立国際医療研究センター病院の発表では新宿区のPCRスポット陽性率が40%を超える日もあるとのことです。

関東では市中感染がどんどん広がっていると考えられます。検査数が増えているから陽性者が増えるのは当たり前、安心していいというのは違います。

若い人が感染者が増えていますが、若いと大丈夫というわけではありません。一定数で重症者は出ます。感染者の大部分は20代~30代と言われますが、感染者数自体が増えていっているので若年者以外の陽性者数も確実に増えています。

入院患者数も徐々に増えてきているのが見てわかります。コロナウイルス陽性患者を入院で診る病院の負担はかなりのもので、病床の変更や重症者が出たときの準備、予定手術をどうするのかなど神経をすり減らします。

広島の検査体制が拡充されているかは不透明です。東京への出張なども増えているようですし、市中感染は広がっている可能性があります。東京からの流入を止めればよいという問題ではなく、重症化しやすい高齢者や病院での院内感染を防ぐための対応を検討していかなければいけないと思います。

東京で起きている感染者増は決して対岸の火事ではありません。

一般市民の方々は手洗い、マスク着用、風邪症状がある時などには仕事を休むなどの感染対策を今一度徹底しましょう。

2020.07.13 |

ニューヨークってどうなった?

一時期のワイドショーで東京はニューヨークのような医療崩壊が起こる!と騒がれていました。実際にニューヨークは医学生や引退した医師なども動員して非常に混乱したようでした。アメリカでは感染者数もまだまだ増えているようですがニューヨークはどうなったのでしょうか?googleでNew York, COVID19と引くとニューヨーク保健局が公開しているページがありました。一緒に見てみましょう。

https://www1.nyc.gov/site/doh/covid/covid-19-data.page

213212人が確認されています。入院者数は55110人、18535人が死亡、4605人がCOVID-19が検出されていないが死亡原因の可能性がある。
ピークでは6000人を超える感染者数が出ています。7月1日は102人と東京都同じレベルですね。
入院者数は16人とかなり少なくなっています。
死亡者数は7人でした。
地域別に症例数や死亡率を示しています。ニューヨークと言えばマンハッタンです。地図真ん中に縦に長細いネズミ色の部分が見えます。これがセントラルパークです。その南側がマンハッタンですが意外にも感染者数などは少なめで周囲の貧困地区などが高いことが分かります。
これは10万人当たり何人が風邪症状や肺炎で救急室を受診したかのグラフです。年齢が高くなるにつれて受診率が高くなっています。最近では全年齢がほど一緒になっています。ピーク時にも0-17歳は低いですが、18歳以上は同じような形で高くなっていっています。
受診の結果、救急室から何人が入院になったかというグラフです。確実に年齢が高くなるにつれて入院率が高くなっているのが確認されます。
みなさんが一番関心があるかもしれない検査陽性率です。3日間の平均が示されているようです。 3月末から4月にかけては陽性率が50%を超えています。6月になってからは5%以下です。
検査数です。3万件以上も検査されている日があります。救急外来受診者数も減って、患者数も減っているにも関わらず右肩上がりなのはドライブスルー検査などで無症候者の洗い出しを行ったからでしょうか。
10万人当たりの年代別感染者数です。東京では夜の街感染が増えており若年者が多いとされています。ニューヨークでも18-44歳は2300人程度と18歳を超えると感染者数が急激に増えています。
死亡者数はどうでしょう。75歳以上が圧倒的に多いです。18歳-44歳はほとんど死んでいません。

いかがでしたか?違う政策、対策をとっているので東京とニューヨークの動きは異なっているのがわかります。ニューヨークは地図も作成していたり見やすいグラフになっていました。

感染者数が増え始めている東京では重症化しにくい若年者が多いから、、、と言っていますが高齢者に伝播していくと確実に重症者、死亡者が増えていきます。感染対策を行いクラスターを発生させないようにしましょう。

2020.07.04 |