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緊急事態宣言③ ワクチン

先日、世羅町役場の方とコロナウイルスワクチンについて話す機会がありました。以前にもコロナウイルスワクチンに関する記事を載せたことがありますが、新しい情報なども入ってきていますね。いいきっかけなので書きなおします。

コロナウイルスワクチンは日本に入る予定のものが①ファイザー社製、②モデルナ社製となっています。欧米では医療関係者、一般の方々まで接種が開始されています。副作用としてアレルギー反応があるようですが、ワクチンに限らずどんな薬でもアレルギー反応はつきものです。アナフィラキシーショックに対しては対応方法も確立されています。安心して接種してもらっていいと思います。

効果や対象者に関しては、いつも勝手にお世話になっている忽那先生の記事を参照してください。非常に分かりやすくなっております。

効果は? 安全性は? 新型コロナワクチンについて知っておきたいこと Q&Aで医師が解説(忽那賢志) – 個人 – Yahoo!ニュース

私も打てるようになれば接種する予定です。

世羅町は高齢者が多く、接種対象者も多いです。インフルエンザワクチンなどと違い、ファイザー社製、モデルナ社製のワクチン共に冷凍保管が必要です。ファイザー社製は-70℃、モデルナ社製は-20℃です。-20℃の冷凍庫は瀬尾医院にはありますが、-70℃となると普通の診療所は無理ですね。。。

役場の話では、拠点病院に必要数を取りに行って即日投与をするようにするとのことでした。

コロナワクチンは2回打って効果が最大限発揮されることもあるため、行政で予約システムなどを構築して、誰がいつどこで打ったかを分かるようにしてほしいと要望しました。業務中に足りなくなって取りに行くことも難しいので、完全予約制にして当日の飛び込み接種などをないようにしてほしいと思います。

妊婦への接種に対しても質問があったのですが、WHOとCDCでは推奨が異なっているようです。

WHOはデータが少なく、妊婦への接種は控えるようになっています。     Who can take the Pfizer-BioNTech COVID-19 vaccine?

CDCではデータが少ないものの、ワクチンが胎児に与える影響もないことが予想されるため接種を推奨するようにとなっています。         Vaccination Considerations for People who are Pregnant or Breastfeeding | CDC

これに関してはより多くの情報が集まったらまとめてみます。

2021.01.22 |

緊急事態宣言② 医療崩壊

日本は病床数は世界一なのに、欧米の10分の1、100分の1の感染者数で医療がひっ迫するのはおかしい。民間病院が20%しか受け入れてないからだ。など色んな報道が毎日されています。民間病院の件に関しては忽那先生がYahooニュースで書いてくれていたのでそちらを引用しときます。

医療が逼迫しているのは民間病院のせいなのか?(忽那賢志) – 個人 – Yahoo!ニュース

病床数に関して個人的にも気になったので調べてみました。

日医総研が出している2019年のデータです。
1 (med.or.jp)

たしかに日本の病床数は桁が違いますね。ただし注釈が付いています。

他国では精神科をカウントしていない、日本では急性期病床に回復期リハビリテーションも含むとあります。コロナウイルス感染後にはリハビリが必要なので急性期病床と回復期リハビリテーションを含むと、以下のようなグラフになるようです。

ドイツと日本が同水準程度となっているのが分かります。多いことは変わりませんが、日本だけがずば抜けているということではないことが分かります。

さらに言うと、フランスやアメリカの一部州では介護施設や挿管が必要になりそうな重篤患者は症例によっては病院に搬送せずに看取っています。日本でこのようなことをしたら大バッシングされます。アメリカではコロナにより平均年齢が1年さがり、高齢者によってはがん死亡者数よりも昨年度の死者数が多くなっています。

COVID-19 as the Leading Cause of Death in the United States | Cardiology | JAMA | JAMA Network

医療崩壊の定義は国や地域、個人によって違いますが、日本の医療崩壊は他国と比べると閾値がかなり低く設定されます。海外では医療崩壊が起こっていないのにとメディアは言いますが、本当にそうですか?

なぜ中小病院が多いのか?

1980年代に病床数過多が問題視されるようになり1985年に病床数規制が導入されました。300程度に全国を分けて、この地区ならベッドの数はこれだけに制限します。とするようにしました。公布から施行まで1年間があったわけですが、駆け込みの病床確保が相次いだため中小規模の病院が増えたわけです。さらに病院経営の観点から大規模病院や大学病院は建て替えの際にはベッド数は削減しているところが多いです。

病床数に比して圧倒的に足りないのが医師数と看護師数です。日本の医療がもっているのはコロナ対応している医師たちのモチベーションと使命感だと思います。テレビに出ているコメンテーターや元厚労省技官などが、眼科医や皮膚科医を再教育してコロナ対応できるようにするのを進言しているとか、報酬を増やせばと言っているのも見ました。失礼極まりない話です。眼科医、皮膚科医はその分野でのプロですし、モチベーションがあって学んでいます。突然、コロナのために教育プログラムをやりますといっても、参加する医師はいないでしょう。医療をひっ迫させないためには患者数を減らすしかありません。

2021.01.20 |

緊急事態宣言① コロナとインフル

関東、関西、九州の一部に非常事態宣言が発令されました。今回の宣言に関しては様々な意見がネットやSNSでは散見されます。

コロナウイルスはインフルエンザと一緒の風邪、日本の病床数は世界一なのに何故医療崩壊が起こるのか?私立病院がコロナウイルス患者を受け入れないからこういうことになる。。。など様々です。4月に緊急事態宣言が出たときに私は東京に住んでいました。あの時には、銀座や新宿などから本当に人がいなくなっていました。病院・クリニックからも患者数が激減し、つい先日まで1日で100人以上受診していたクリニックで30人も来院しないなんとことも経験しました。

最近気になって読んだ論文などを合わせて私なりの意見を書こうかと思います。

①コロナウイルスはただの風邪、インフルエンザは毎年もっと死んでいる。

医師になって10数年とまだまだ若手~中堅です。離島から東京のど真ん中にある総合病院まで比較的幅広く働いてきました。インフルエンザも毎年いやになるほど診療して、シーズンになると同僚たちと「病院窓口にインフルエンザキットとタミフルの自販機を置けばいいのに。」と冗談を言っていたこともありました。しかし、集中治療室に何人もインフルエンザ陽性の患者さんが入室しているなんてことはありませんでした。たまにいるとしても、慢性閉塞性肺疾患や心不全などの方がインフルエンザに感染することで持病が悪化したため入室という間接的な影響のほうが多かったです。

コロナウイルスとインフルエンザウイルスを比較するのは日本だけでなく、おそらく世界共通なんだろうなと感じたのがBMJとLancetに出ていた2つの論文でした。今回はBMJのものを掲載します。

季節性インフルエンザと新型コロナウイルスの臨床症状と死亡リスクを比較しています。

データの中心はアメリカのVeterans hospitalからのものです。Veteransというのは退役軍人のことで、アメリカでは退役軍人には手厚い医療が提供されていると聞いたことがあります。入院を要した12676人のインフルエンザ患者と3641人のコロナ患者をまとめています。

腎機能障害、透析、敗血症、昇圧剤使用、心筋炎などほとんどの合併症がコロナウイルスのほうが数倍起こり訳すなっています。Adjusted ORというところがコロナウイルスのほうが〇倍高いということになります。

死亡率も約5倍、人工呼吸器が必要になる人も4倍、ICU入室率も2倍リスクが高くなっています。

もっと分かりやすくグラフにしたものです。上から100人当たりの死亡者数、100人あたりの人工呼吸器使用数、100人当たりのICUへの入室数。いずれもオレンジ色のコロナウイルスのほうが高いです。

左側のグラフがコロナ100人当たりの死亡者数になります。薄い黄色ほど少なく、黒くなると多くなります。65歳以下は合併症があっても死亡数はすくなくなっていますが、年齢が高くなるにつれて黒くなっています。特に腎不全がある患者と認知症のある患者で黒くなっているのが分かります。右側はインフルエンザと比較してのコロナ感染者の超過死亡数となっています。65歳以下でも黄色ですが、インフルエンザよりはいずれも増加しています。

若い人にとっても決してインフルエンザと一緒ではありません。欧米と日本では状況が違うと言われるかもしれませんが、現場の人間からするとインフルエンザとは同列に語れないことは明らかです。BMJ、Lancetのデータもそれを示しています。若い人にとっては確かにインフルと同等の風邪かもしれませんが、高齢者や基礎疾患がある人に関してはインフルエンザよりも凶悪であることは確かです。同居している家族や周囲の大事な方々を守るためにも感染してしまう確率が高くなる行動は控えましょう。

2021.01.14 |

広島県の当番医

ことしの年末年始に体調を崩した場合にはどうすれば良いのか?不安の方も多いと思います。広島県の各地域の当番医や診療体制を掲載しておくので参考にしてください。瀬尾医院は29日の午前中が年内の最終診察日です。メールフォームからであれば、連絡ができますので必要であれば活用ください。

体調不良で医療機関を受診される前には必ず電話をしてください。夜間の受診は検査の遅れなどにもつながります。体調が悪いときは日中に受診するように心がけてください。

当番医はこちらを参照ください。
令和2年度年末年始の医療機関 – 広島市公式ホームページ (hiroshima.lg.jp)

三原市

尾道市

尾道総合病院は救急受け入れは通常通りとHPにありました。

世羅町

2020.12.28 |

安い民間検査

広島市内では、飲食関係者・医療従事者・介護福祉施設の従業員などが対象となっていますが無料のPCRセンターが開設されています。

https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/258/hiroshimapcrcenter.html

完全予約制、検査代は無料となっております。広島市は人口当たりの新規感染者数は全国1位です。今日は高校駅伝で世羅高校がアベック優勝して全国1位となりました。なんでも1位が良いというわけではありません。

最近は民間のPCR検査に関する質問が増えてきています。(メールフォームから連絡いただければ簡単な質問であれば可能な範囲内でお答えしているようにしています。活用してください。)郵送でも行っている施設があるため全国から唾液が集まっていると聞きます。ちなみに医療機関で自費のPCR検査を行っているクリニックの中にはこの格安民間業者の仲介のようなことだけをしている施設も出てきているようです。民間のPCR検査で陽性と出た後には、公費を利用してのPCR検査が必要となります。高額な費用を払わなくても問題ないこともありますので医療機関に問い合わせをしましょう。

Yahooニュース内で国立国際医療研究センター病院の忽那先生が民間PCR検査に関する注意点を分かりやすく掲載してくれていました。参照してみてください。

安価な新型コロナPCR検査センターの課題 陽性だったが対応がとられず重症化した事例も(忽那賢志) – 個人 – Yahoo!ニュース

2020.12.20 |