がん治療Q&A
国立がんセンターのオンライン講座
がん患者さんのサポートと生活の工夫展2021 | 国立がん研究センター 中央病院 (ncc.go.jp)
久しぶりに国立がんセンター中央病院のホームページを見ていたら、患者さん向けのセミナーを見つけました。
16日の金曜日まで見れるようなので、皆様もぜひ見てください。
2021.04.13 | がん治療Q&A
がん治療後のリンパ浮腫
乳がん術後や婦人科系腫瘍の術後に問題となるのがリンパ浮腫です。術後早期で出てくる患者さんもいれば、数年経過したのちに困る患者さんもいます。
リンパ浮腫に対する情報は少なく、治療法もしっかりと指導できる医療者も少ないのが現状です。
私も2日間のリンパ浮腫講習会に参加しましたが、実践に応用するにはまだまだ勉強が必要です。
リンパ浮腫の患者さんや家族が立ち上げたグループがあります。リンパ浮腫でお困りの方は是非とも訪問してみてください。
2021.03.21 | がん治療Q&A
乳がん治療の情報ページ
知り合いの先生から教えていただいた乳がん治療のホームページを掲載します。
乳がんのファーストオピニオン | 有名病院の専門医が考える乳がん対策 (firstopi.jp)
がん診療・治療については、様々な情報があふれています。
少しでも正確な情報を知っていただけるために有効活用していただけると幸いです。
2021.03.11 | がん治療Q&A
乳がん治療のコロナウイルスの影響
世界で最も権威がある論文雑誌にNew England Journal of Medicine(NEJM)があります。毎週、流し読みはしているのですがその中に乳がん治療とコロナウイルス流行の影響が記載された症例報告がありました。私が働いていた病院でも3月、4月のコロナウイルス流行期には抗がん剤治療により慎重になり、遅らせることができる手術は延期するなどの対策が取られました。個々の症例で違いますし、癌と診断されたのちにコロナウイルスがあるから手術はしばらく延期ですと言われた患者さんは気が気でないでしょう。医師側もかなり悩んでいました。コロナウイルスによりがん治療も少し変わりつつあります。
62歳女性 左乳房に3cmの腫瘤があった。生検結果で乳がんの確定診断がついた。エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PgR)が強陽性、HER2は陰性。リンパ節転移は認めていない。
T2N0M0のホルモン受容体陽性乳がんの確定診断が付きました。
コロナウイルスが流行する前の治療戦略は、手術→組織全体を見て再発リスクを考慮して術後化学療法を追加するか決定→術後ホルモン療法となります。部分切除であれば術後放射線療法も追加するでしょう。
もし、コロナウイルス流行しており手術が制限されていたりした場合にはどうすればよいのか?Discussionではいくつかの方法が提示されています。
①手術を早急に行い、放射線療法を遅らせる。術後20週まで開始を遅らせても再発などに影響がなかったという研究があります。
②術前化学療法を行う。今回の症例では手術を行う前にホルモン療法を行う選択肢があります。3ヶ月の治療により69.8%のホルモン受容体陽性乳がんの患者さんが術前に縮小、もしくは画像的には消失してしまったという報告があります。術前ホルモン療法は3-6か月行われるのが通常ですが、効果が得られているようであればさらに延長することもできます。懸念すべき点としては、100%効くわけではないため、慎重なモニターリングが必要なこと、術後に化学療法が必要かどうかを調べるオンコタイプの結果が不確定になってしまうということが挙げられます。
以上のようなDiscussionが述べられています。どの選択肢が好ましいかは患者さん個々で違うため一概には決められません。本文中ではHER2陽性、Triple negative乳がんに関しても述べられていますが非常に悩ましい選択ばかりです。周辺地域でコロナウイルスが広がってきたときにどうすればよいのか、どの選択肢が一番好ましいのかを主治医としっかり話し合って決めましょう。
2020.07.04 | がん治療Q&A
子宮頸がんとHPVワクチン
子宮頸がんの原因の1つにヒトパピローマウイルス(HPV)が関わっていることは広く知られています。ウイルスなので感染を防ぐ、ワクチンが開発されています。日本では2価と4価の2種類のワクチンがあります。2価はHPV16型・18型、4価は6型・11型・16型・18型による感染を防ぐ抗体を作ります。
接種対象
接種対象は小学校6年生から高校1年生の女子となっています。
2価:中学1年生の間に、1か月の間隔をおいて2回接種したあとに、1回目の接種から6か月の間をおいて3回目の接種をする。
4価:中学1年生の間に、2ヶ月の間隔をおいて2回接種したあとに、1回目の接種から6か月の間をおいて3回目の接種をする。
子宮頸がんワクチンの効果
HPVワクチンを打つことで子宮頸がんは90%以上予防できるというデータがあります。先日、スコットランドからもワクチンを打った世代と、打っていない世代を比較すると89%も発症率が減ったというデータがでました( BMJ 2019; 365 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l1161 (Published 03 April 2019) )。
WHOからの資料です。上図のようにワクチンと検診を組み合わせることで子宮頸がんをほぼ失くすことができます。
副作用が全くないわけではありません。発熱や頭痛、吐き気を打った後に生じることはありますが稀です。それに子宮頸がんを防ぐことができるベネフィットが大きいので世界中で接種が推奨されています。
日本では子宮頸がんワクチンとも呼ばれていますが、HPVは男性も感染します。そのため、アメリカやオーストラリアなどでは男性にもHPVワクチンは打っています。
子宮頸がんにかからないようにHPVワクチン接種を受けましょう。瀬尾医院でもHPVワクチン接種可能です。お問い合わせください。
2020.04.30 | がん治療Q&A