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がん治療Q&A

帯状疱疹、、、

60歳以上の患者さんや抗がん剤治療中の患者さんで困ることが多い合併症に帯状疱疹があります。

皮膚の痛みから発症して赤く発疹が出てきて、痛みがどんどん強くなっていく。特に免疫力が落ちたような状況で発症すると言われています。

ただでさえ80歳までに3人に1人が発症すると言われる帯状疱疹。痛みが強く、皮疹が消えた後も痛みと痣が残ります。

帯状疱疹にはワクチンがあり、ワクチンを打つことで94%の予防効果があります。1回2万円程度かかり、2回(2か月~6カ月以内)打たないといけません。高額ですが帯状疱疹にかかると医療費はもっとかかりますし、後遺症が残ります。それを考えると決して高くない治療です。抗がん剤投与中の方でも打てるワクチンになっています。常時在庫があるわけではなく、取り寄せになります。是非ともご検討ください。

2021.06.21 | がん治療Q&A

高齢者の乳がん術後化学療法

世羅、尾道、三原、三次などの地区にも高齢の乳がん患者さんがおられます。
乳がんの手術は行ったが、術後に抗がん剤治療をすべきかどうか迷われている方も多いと思います。術後化学療法は高リスク、中リスク、低リスクと分けて考えます。高リスクは明らかに抗がん剤をしたほうがいい人、低リスクはしないでも大丈夫な人となっています。一番、迷うのは中リスクの人たちです。遺伝子解析などからより詳細になってきていますが、それでも高齢者に関してはデータが少なく抗がん剤の副作用も心配だし。。。と本当に迷います。患者さんと十分なやり取りをしたうえで術後抗がん剤治療を決定していました。

この論文は70歳以上の高齢者の高リスク群の患者さんに対して術後抗がん剤治療が有効かどうかの検討を行ったものです。

乳がん手術を行った2811人中の397人が抗がん剤治療を受けて、2414人が抗がん剤治療を受けませんでした。

結果としては、再発率を抑えられた一方で生存率に関してはいい結果が見られませんでした。ホルモン受容体陰性乳がんに関しては生存率の改善が見られましたが、そのほかでは差が見られませんでした。抗がん剤治療をするとQOLの低下も見られました。高リスクの高齢乳がん周術期の抗がん剤治療が生存率に寄与しなかったとなると中リスクに関しては更に検討が必要なのかなと思います。術後抗がん剤治療は投与開始はできるだけ早いほうがいいのは間違いないですが、抗がん剤治療を迷ったときにはセカンドオピニオンを求めた方がいいと個人的には考えています。

2021.05.27 | がん治療Q&A

がん治療とコロナウイルスワクチン

4月から今月にかけて、海外からがん患者に対するコロナワクチンの有効性に対する論文がちょこちょこ出ています。

詳細は省きますが、がん患者だから、抗がん剤治療中だからといって副作用や副反応が増えることはなさそうです。安全に接種できています。

大事なのは抗体が付くかどうかということですが、いずれの論文も健康な人と比べると抗がん剤治療中の人たちには抗体が付きにくいとなっています。特に1回接種だけではほとんど効果がなく、2回目接種でやっと抗体が付く。それでも抗体価が低いとなっています。Lancetのほうでは言及していませんでしたが、Annals of Oncologyでは3回目の接種も検討課題となっていました。

がん患者でワクチン接種する患者さんは、必ず3週間後に2回目のワクチンを打つことを推奨します。

抗体が付いたかどうか気になる患者さんがおられたらご相談ください。抗体価を調べることが可能です。

2021.05.25 | がん治療Q&A

当院でのがん治療

まだまだ患者数は少ないですが、当院でもがん治療の相談などが増えてきました。他院で手のつくしようがないと言われた方や今の治療でいいのかどうかなどの相談に乗っています。

コロナウイルス感染症もあり、遠方の病院まで出かけるのが不安という方もいると思います。

抗がん剤によっては当院での処方や治療を主治医の病院と連携しながら行うこともできます。気軽にメールフォームからご相談ください。

2021.05.14 | がん治療Q&A,希少がんについて

すい臓がんに対するルカパリブ

すい臓がんは未だに早期発見が難しく、予後が非常に悪いがんの1つです。mFOLFILINOX療法奏功例に対してBRCA陽性であればオラパリブという薬が適応になっています。BRCA遺伝子陽性患者においては無病増悪期間を延長する新しい治療選択となっています。

Journal of Clinical Oncologyという雑誌にルカパリブというPARP阻害薬のすい臓がんに対する効果が出ていました。いわゆる第1/2相試験で承認されるにはまだまだ時間がかかりそうですが、いい結果が出ているので共有します。

白金製剤~プラチンという薬で腫瘍の縮小が得られた患者でなおかつBRCA1, 2 , PALB2の遺伝子変異がみられた42人を対象としています。16週間のプラチナ製剤を含む治療後にルカパリブ投与を行っています。

結果ですが、生存期間中央値が23.5カ月、無病増悪期間中央値が13.1カ月とこれまでのすい臓がんの治療よりも非常に良い成績が得られています。もちろん、第2相試験のため、今後行われるであろう第3祖試験では違った結果が出る可能性もあります。ですが、非常に有用かもしれない新しい治療選択がすい臓がんに導入されるかもしれないという期待を持たせてくれる臨床試験だと思います。

2021.05.12 | がんと遺伝,がん治療Q&A