問い合わせ・相談
オンライン診療

がん知識の森

  1. 瀬尾医院
  2. がん知識の森

がん知識の森

パピローマウイルスワクチンの再考

先日、田村厚生労働大臣が子宮頸がんを防ぐパピローマウイルスワクチンの接種推奨の再開を検討すると発言がしました。その時期は、、、 
「コロナウイルスが落ち着いてから!」
いつだよ、、、って感じです。

パピローマウイルスワクチンは日本では子宮頸がんワクチンとも言われていますが、尖圭コンジローマや陰茎癌を防ぐことも分かっているため、男性にも接種が推奨されています。

4価と9価のワクチンがあり、4価ワクチンは公費でも小学6年生から高校1年生までが接種できます。完了するまでに半年かかるため、公費で受けるなら高校1年生は今月から接種開始しないといけません!

色んな副作用が報告されて、接種推奨から外れてしまった子宮頸がんワクチン。こんな悲しいことはありません。子宮頸がんは非常に辛く、抗がん剤治療方法も少ないがんです。公費で受けれる人は今のうちに接種を!時期を逃してしまった人も自費にはなりますが、費用対効果は測りきれません。是非とも接種を検討してください。

当院では4価(ガーダシル)、9価(シルガード9)ともに接種可能です。

金額などは問い合わせフォームから連絡ください。

下の産婦人科学会のホームページが見やすくまとまっています。参考にしてください。

子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために|公益社団法人 日本産科婦人科学会 (jsog.or.jp)

子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)について – 広島県感染症・疾病管理センター(ひろしまCDC) | 広島県 (hiroshima.lg.jp)

2021.09.03 | がん治療Q&A,希少がんについて

転移性乳がんに対するキイトルーダ

転移性乳がんに対するキイトルーダが保険適応になるというニュースが入ってきました。

KEYNOTE-355試験の結果でキイトルーダ+化学療法(パクリタキセル or アブラキサン or ジェムザール+カルボプラチン)が無増悪生存期間を延長したことを根拠にしています。

治療選択肢が限られているトリプルネガティブ乳がんに新薬の承認があるのは嬉しいことです。4月に発表されたSacituzumab Govitecanもいい結果が出ているようなので保険適応できるようになることを期待しています。

2021.08.26 | がん治療Q&A

オンコタイプDxの保険承認

やっと来ました!

これまで自費で40数万円かかっていた、再発リスクを見積もり化学療法をしたほうがメリットがあるのかないのかを可視化できる検査です。

一番は主治医との信頼を気づいた上での術後化学療法の選択と思いますが、客観的にも評価できるので非常に助かります。

術後化学療法を受けようかどうしようか迷っている場合には12月以降にはこの検査が広く浸透すると思われます。

2021.08.12 | がん治療Q&A

肉腫に対する放射線治療

久ぶりに希少癌のカテゴリーの更新です。

局所・局所進行にある肉腫の根本的な治療はしっかりと切除範囲を確保した後半切除術です。再発率が高そうな場合に関しては放射線治療が術後に加えられることが多かったです。

再発率が高そうな肉腫というのは、原発部位・病理的悪性度・年齢などにより決定されます。

放射線治療をすると、傷が治りにくくなる、合併症が多くなる可能性があるとの理由から術前ではなく術後に行われるケースがほとんどです。

しかしながら、新しいガイドラインでこのようになりました。

術前に再発率が高く放射線治療が必要と思われる症例に関しては、術後ではなく術前に化学療法を行うことが強く推奨される。と記載してあります。

術前、術後でも再発率を抑える効果は一緒なのですが、長期合併症などは術前の方が少ない傾向にあるとのことです。

放射線治療がされた後の手術は肉腫以外でも外科医からは嫌われることが多いですが、今回のガイドラインなどからもしかしたら放射線治療後に手術を行うケースが増えてくるかもしれませnね。

2021.08.01 | 希少がんについて

ホルモン療法は何年続けるべきか?

乳がんの中でもホルモン受容体陽性乳がんの手術後にはホルモン療法を最低5年間は継続します。患者さんに5年間と伝えると、「そんなに長く!」と言われることも多くあります。

閉経前でリスクが高い場合には5年間追加して合計10年間内服することもあります。閉経後の女性はどうするのかは色んな意見があり統一はされていませんでした。今週の論文にこの疑問点を解決してくれるものがあったので紹介します。

閉経後のホルモン受容体陽性乳がんの患者さんに7年内服させるのか10年内服させるのかという試験です。結果は、、、

再発率に差はなし。

死亡率も差はなし。

では副作用はどうでしょうか?たまに当院に来院される患者さんでもホルモン療法は副作用はほぼないって聞いてますという方がおられますが、そんなことはありません。血栓症、関節痛、骨粗鬆症などの副作用があります。

骨折リスクは5年間追加したほうが高くなっています。また、その他の副作用も5年間追加内服群が起こりやすくなっています。

閉経後のホルモン療法は10年間内服しても7年間内服と比較するとがんの再発率は関係ないが、副作用は起こりやすくなるという結果が出ました。

骨折予防にはホルモン内服中に骨密度を定期的に測定し、必要であれば骨粗鬆症の治療も並行して行うことが重要です。

2021.07.30 | がん治療Q&A