お知らせ
がんとコロナ
先日、日本臨床腫瘍学会のホームページにがん患者さんに向けて情報発信があったのでこちらでも紹介しておきます。
https://www.jsmo.or.jp/general/coronavirus-information/qa.html
岡江久美子さんがコロナウイルス肺炎で亡くなるというニュースが流れました。ショッキングであったと同時に、昨年行った早期乳癌手術と放射線療法による免疫力が低下していたためではないかという情報も流れました。がん治療中の患者さんにとっては他人事ではないでしょう。これだけで免疫力が低下していたと結論付けるには早いですし、できることは自分がかからないようにマスクと手洗いを心がけることです。ニューヨークのマウントサイナイ病院からコロナウイルスにかかったがん患者さんのデータが出てきていたので紹介します。
ニューヨーク州では5688人のコロナ患者のうち334人(6%)ががん患者さんでした。がん患者さんの致死率が高かったというデータが中国から出ましたが、28人しかがん患者さんがおらず不透明な点も多かったです。
334人の内訳ですが、57人が乳癌、56人が前立腺がん、23人が肺癌、18人が尿管癌、16人が大腸癌となっています。人工呼吸器が必要となる割合は1.89倍と高い傾向にありましたが死亡率は差がありませんでした。特に66歳~80歳台ではリスクが高かったようです。死亡率に関しては50歳以下はがん患者さんの方が高いですが、50歳以上だと低い傾向(統計学的には明らかではありません)があるという状況です。はっきりとがん患者さんの重症化率や致死率が高いという結論には至っていません。
抗がん剤治療を受けに病院に行くのも不安、かかった時には特別に重症化しやすいのではないか、、、と考えられている方も多いと思います。主治医と相談して、治療を遅らせても大丈夫なものなのか?予定通りにしたほうが良いのか?話し合ってください。一人だけでは決めないようにしましょう。
2020.04.24 | コロナウイルス関連
コロナウイルス濃厚接触とは(4月22日に改訂)
コロナウイルス感染者の数が増えるにつれて生じている問題があります。医療従事者や家族に対する偏見や接触を避けるような動きです。ここでは濃厚接触の定義を今一度振り返ります。
「濃厚接触者」とは、「患者(確定例)」の感染可能期間(症状出現の2日前)に接触したもののうち、次の範囲に該当する者である。
・患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(社内、航空機内などを含む)があった者
・適切な感染防護なしに患者(確定例)を診察、看護若しくは介護していた者
・患者(確定例)の気道分泌もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
・その他:手で触れることのできる距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と15分以上の接触があった者
国立感染症研究所ホームページからの引用です。
医療者は適切な感染防護なしに発熱患者や疑い患者と接することは現状ではほとんどありません。コロナ検査が陽性になった人と同じ空間にいたからといって、その場にいた全員が濃厚接触者でもありません。外出を自粛していたとしても、どこからコロナウイルスが入ってくるかわかりません。コロナウイルス陽性患者はクラスター対策の一環として、行動や働いている場所全てが公表されます。 しかし、そこで働いていた人たち全てが濃厚接触者、そこにいた人と接したから濃厚接触者ではありません。正しくコロナウイルス濃厚接触を理解してください。自粛要請でイライラやストレスが溜まっているとは思いますが、皆で地域を守っていく意識を持ちましょう。
例)適切な感染対策(マスク、ゴーグルなど)をして陽性患者と接している。
→濃厚接触にはあたりません。
例)陽性患者と車の中で会話をしていた。
→濃厚接触にあたる可能性が高いです。
例)陽性患者が働いていた同じ部署の人(無症状)と接していた。
→これだけでは濃厚接触にはあたりません。
2020.04.19 | コロナウイルス関連
関節リウマチとCOVID19
当院でも生物学的製剤を使用してリウマチ治療を行っている患者さんがおられます。投与前に”免疫力が落ちることがあります。”と説明されて不安になっている方もおられると思います。アメリカリュウマチ学会より、お知らせがあったので掲載しておきます。
関節リウマチの治療をしているからといって特別に感染リスクは上がりません。しっかりと3密を避けて手を洗いましょう。コロナウイルスが流行している地域や病院などで治療している場合には、投与スケジュールの調整をしてもらってもいいかもしれません。
プレドニンを内服していて、処方が切れた患者さんは必ず病院受診をして継続処方してもらってください。感染が怖いからと病院に行かずプレドニンが無くなってしまうと副作用が出現することがあります。
コロナウイルスはACE2受容体を介して感染する可能性が示唆されています。高血圧薬でACE阻害薬、ARB(アンギオテンシン受容体阻害薬)があります。これらの薬がコロナウイルス感染との関連が示唆されるかもという研究結果がありますが、現状でははっきりてしていません。処方されている方は継続使用しましょう。
メトトレキセート(リウマトレックス)や生物学的製剤などは継続しましょう。コロナウイルス感染率は上がりません。
世羅周辺から広島市内や遠方に関節リウマチ治療に行っている患者さんで通院が不安な方は当院でも治療を継続可能ですのでご相談ください。
2020.04.17 | コロナウイルス関連