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がん治療Q&A

子宮体癌の新治療

2021年12月24日に子宮体癌に対してキートルーダとレンビマ併用療法が二次治療として承認されました。

子宮体癌はカルボプラチン+パクリタキセル(TC療法)、ドキソルビシン+シスプラチン(AP)療法で初期治療が行われます。

今後はカルボプラチンやシスプラチンを使用後に進行してしまった症例に対するキートルーダ+レンビマが使えるようになりました。

NEJMに承認にいたった試験が掲載されていたので見ていきます。

子宮体癌の827例を対象として1:1の割付試験になっております。
キイトルーダ+レンビマ群 vs 従来の治療群
免疫チェックポイント阻害薬の効果が期待されるdMMRの患者さんは130人おりますがこれも1:1で割付されています。

pMMR(ミスマッチ修復欠損のない)でも青い線がキイトルーダ+レンビマのように従来の治療よりも良い成績が出ています。

全体でも同様にキイトルーダ+レンビマが勝っています。10%くらいの症例では長期にわたって再発を認めていません。(免疫チェックポイント阻害薬使用時のLong tailと思われます)

生存率もこのようにキイトルーダ+レンビマが効いています。

非常に効果が高い治療であることが分かる一方で副作用も気になります。私も以前に違う癌種の患者さんに臨床試験でキイトルーダ+レンビマを使用したことがありますが、副作用が大変で患者さんも私たちもマネージメントに苦慮した記憶があります。

高血圧、甲状腺機能低下症が50%以上で見られています。Grade3以上の副作用も従来治療よりも16%ほど多く出ています。既存治療では多い、白血球減少症が少ない代わりにその他の副作用が出ます。特にレンビマは倦怠感なども強く出るため投与量などの検討が必要な薬剤です。

広島県だと婦人科で治療されることが多いと思いますが、内科医との密な連携が必要な治療になっていきます。

最近は婦人科癌の新規治療の承認がいくつかあり嬉しいことです。4月からはHPVワクチンも公費で承認されて、キャッチアップも広がります。1人でも多くの患者さんが良い治療を受けられるように、また防げるようになってきています。当院ではがん治療はできませんが、副作用サポートやフォローアップ、HPVワクチン接種はできますのでご相談ください。

2022.02.07 | がん治療Q&A