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コロナウイルス関連

新型コロナウイルス抗体検査開始

瀬尾医院で新型コロナウイルス抗体検査を開始しております。電話での対応はできかねますので、メールフォルム(以下のがんよろず相談 メールフォーム)から問い合わせをお願いします。

施設や企業にも出張での検査を考えています。

当院では簡易キットではなく、抗体価を測定のうえで結果を出します。検査結果が出るまでは2~3日を要します。

遠方からの来院者には郵送での返却も承ります。

2020.06.05 |

After コロナではなくWith コロナ

緊急事態宣言も解除され、町中が活気を取り戻しつつあります。しかし、以前と全く同じ生活に戻るのではなく、コロナウイルス感染リスクは常にあることを念頭とした行動が必要です。

世羅群も観光客が徐々に増えていくと思われますが、対策を考えるきっかけとなる提言を見つけましたので公開させてもらいます。私もかつて働いていた沖縄県立中部病院 高山先生からです。

■ 観光客の健康管理・空港の到着ゲートにサーモグラフィーを配置し、発熱者を認めたときは、医療機関を受診するよう要請する。

・宿泊施設では、毎朝の検温と健康チェックを宿泊客に求める。洗って再利用ができる紙製の体温計をチェックイン時に配布する。

・外国人観光客向けに、症状を認めた場合の対応について多言語での案内チラシを宿泊部屋に配置する。また、電話による多言語の医療相談および医療通訳サービスを24時間体制で整備する。

◇ 観光客に症状を認めている場合・発熱など症状を認める宿泊客には、その日は外出せず、できるだけ室内で療養していただくように求める。食事も室内でとっていただくことを原則とする。やむを得ず室外に出るときは、マスク着用と手指衛生の徹底を求める。また、部屋のドアは常に閉めておき、適宜、換気を行っていただく。

・必要に応じて、医療機関への受診を支援する。流行地域からの観光客である場合には、本人の同意のもとに保健所へ連絡して、適切な受診方法の指導を受ける。

・従業員が、症状を認める宿泊客に接触するときは、原則として、サージカルマスクとエプロン、手袋を着用する。

・症状を認める宿泊客と同行する家族等については、症状を認めない限りは外出を控えていただく必要はないが、屋内ではできるだけマスクを着用いただき、こまめな手指衛生を心掛けていただく。

・症状を認める宿泊客については、発症3日前から県外に出るまでの県内における移動経路を宿泊施設において把握しておく。宿泊施設内における濃厚接触者について、できるだけリストアップしておく。また、その後、新型コロナウイルス感染症と診断されていないかを確認する。

■ 従業員の健康管理・従業員は、毎朝の体温確認と健康チェックを行い、軽微であっても発熱や咳などの症状があれば休ませる。流行地域からの観光客との接点がある場合には、保健所に連絡して、医療機関への受診方法について指示を受ける。

◇ 新型コロナウイルス感染が確定した場合

・当該従業員は原則として入院措置となる。・発症前3日から入院措置となるまでのあいだに接触が疑われるすべての従業員について、接触のあった日から14日間は仕事を休ませる。PCR検査等を実施して陰性が確認されたとしても休ませる必要がある。経過中に症状を認めたときは、速やかに保健所に連絡して、医療機関への受診方法について指示を受ける。

◇新型コロナウイルス感染が確定しなかった場合・当該従業員については、新型コロナウイルスの検査結果が陰性だったとしても、以下の3つの条件がすべて確認されるまで休ませる。1)咳などの呼吸器症状が改善している2)解熱してから3日間が経過している3)症状が現れてから7日間が経過している・発症前3日から入院措置となるまでのあいだに接触が疑われるすべての従業員について、接触のあった日から14日間は観察期間とし、この間はサージカルマスクを必ず着用し、手指衛生も心がけながら業務にあたらせる。経過中に症状を認めたときは、集団発生が疑われるとして速やかに保健所に連絡して、医療機関への受診方法について指示を受ける。

◇従業員が同居する家族に症状を認めている場合・新型コロナウイルス感染症と診断されていなければ、当該従業員を休ませる必要はない。ただし、最後に曝露した日(同居する家族の症状を最後に認めた日)から14日間を観察期間とし、この間はサージカルマスクを必ず着用し、手指衛生も心がけながら業務にあたらせる。

2020.05.29 |

第2波、第3波に備えて

コロナウイルス感染者数が減ってきて、広島県ではここ2週間で2人だそうです。紫外線に弱い、夏には減ると言われているのが本当かどうかは不明ですが、確実に感染者数が減っているのは事実です。

1月~5月までの経験で、高齢者、合併症(糖尿病、心疾患、呼吸器疾患)のある患者さんが重症化することも分かっています。

これまで、医療機関の受診を避けてきた患者さん達もおられると思いますが、秋から冬に再流行をする前に健康診断、日々の薬のチェック、糖尿病管理をするようにして少しでも重症化しにくい体作りに努めましょう。いろんな薬やワクチンの開発も進んでいますが、あくまで補助的なものです。大切なのは、健康な体作りです!

瀬尾医院はオンライン診療は行っておりません。対面診療でしか分からないことが多いからです。

オンライン診療は便利ですが、ドクターショッピングや画像に映らないところが分からないなど問題点もあります。良い点、悪い点を理解して使いましょう。

2020.05.25 |

抗原、抗体、PCR検査

コロナウイルスに対する検査法が毎日ワイドショーなどで話題になっています。今回は、これらの検査の特徴が良く書かれていた記事があったので紹介させてもらいます。著者は国立国際医療研究センター病院 感染症内科の忽那医師です。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200517-00178720/

抗原検査はインフルエンザ迅速検査でおなじみです。コロナウイルスに対する抗原検査は感度が低いのが問題と言われています。そのため、”ほんとは感染しているのに、抗原検査で陰性とされること(擬陰性)”が多くなります。特異度は高いので検査が陽性になったら信頼度は高いですが、陰性と出た場合には何ともいえません。リスクが低い人たちを対象とするよりも、リスクが高い人を対象としたほうが効果が発揮されそうです。

抗体検査は検査キットにより感度、特異度がバラバラです。海外の評価もバラバラです。抗体検査をすることでこれまで感染したかどうかが分かる言っているクリニックもありますが、感度が低いと抗原検査と同じように偽陰性が増えるので分かりません。それに、抗体はいつまで体内にとどまっているかがコロナウイルスは判明していません。抗体がないからかかったことがないとも言い切れないのが実状だと考えます。

コロナウイルス感染者数は確実に減ってきていますが、今年の秋から冬にかけて再流行する可能性も高いです。抗原、抗体、PCR検査の改善点を研究所や会社が探っています。より良い情報が提供できるようになると思います。

2020.05.17 |

コロナの小児患者

外出自粛しているのに熱を出したり、咳が出ている子供がいます。

「外出自粛しているのにどこからウイルスが入ったの?コロナじゃないでしょうか?」と心配される親御さんが多いです。

外に出る機会がなくても、空気は無菌なわけではないので風邪ひいたりすることはありますよと答えるようにしています。コロナに関してはどうなのかを少し調べてみました。

日本で最初に小児例が確認されたのは北海道の兄弟でした。感染経路ははっきりとしていないようです。

5月4日の発表では0歳から19歳までの陽性者数は601人、重症者数は2人(0.3%)、死亡例は0人となっています。

厚生労働省ホームページより引用

海外からの報告がどうなのかをNEJMとJAMAに掲載されていた論文から見てみましょう。

イタリアの救急室を受診した小児100例のまとめが5月1日のNEJMに掲載されていました。0歳~18歳で救急室を受診してコロナウイルス検査陽性となった症例の年齢中央値は3.3歳と低め、感染経路が不明もしくは家族外からの感染が疑われる症例が55%と半数だったようです。よくある症状として発熱(37.6℃以上が54%)、咳(44%)、食思不振(23%、生後21か月未満の子供で良く見られた)ということです。酸素が低下した症例はわずか4%で人工呼吸器が必要とされた症例は9例だったそうです。症状が一切認められなかった無症状の患者は21%いたようです。重症例になったのは1例のみで死亡してしまった患者はいなかったようです。

Parri, N. et al. Children with Covid-19 in Pediatric Emergency Departments in Italy. New England Journal of Medicine (2020)

つづいてJAMAに掲載されていた、これまで論文掲載された小児例をまとめて解析したデータです。

1065人の中国とシンガポールから報告があった小児例が検討されています。発熱、空咳、倦怠感に加え、嘔吐・下痢の消化器症状を示した症例も散見されているようです。ただし、重症化例は1例のみで死亡例は報告されていません。

JAMA Pediatr. 2020 Apr 22. doi: 10.1001/jamapediatrics.2020.1467.

最後に日本小児科学会から出されている臨床学的特徴を一部抜粋します。

http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20200316_rinsho_tokucho.pdf

イタリアから出された集計では感染経路不明が55%でしたが、中国から出されている小児例に関しては家庭内感染が多くを占めているようでした。

これまでの報告だと、小児コロナ患者に共通しているのは①重症化する例は少ない②無症状例が成人と比較すると多い可能性がある③家庭内感染が多いかもしれないということです。

家庭内にコロナウイルス感染者がいて、子供が熱はないけど元気がない、食欲が減ってきているといった症状があれば検査対象となると思います。逆に子供だけに症状があり、保護者には症状がないといった症例では検査をせずに経過をみても良いのだと考えます(重症例は別です)。

2020.05.06 |