2021年8月
転移性乳がんに対するキイトルーダ
転移性乳がんに対するキイトルーダが保険適応になるというニュースが入ってきました。

KEYNOTE-355試験の結果でキイトルーダ+化学療法(パクリタキセル or アブラキサン or ジェムザール+カルボプラチン)が無増悪生存期間を延長したことを根拠にしています。

治療選択肢が限られているトリプルネガティブ乳がんに新薬の承認があるのは嬉しいことです。4月に発表されたSacituzumab Govitecanもいい結果が出ているようなので保険適応できるようになることを期待しています。
2021.08.26 | がん治療Q&A
オンコタイプDxの保険承認
やっと来ました!

これまで自費で40数万円かかっていた、再発リスクを見積もり化学療法をしたほうがメリットがあるのかないのかを可視化できる検査です。
一番は主治医との信頼を気づいた上での術後化学療法の選択と思いますが、客観的にも評価できるので非常に助かります。
術後化学療法を受けようかどうしようか迷っている場合には12月以降にはこの検査が広く浸透すると思われます。
2021.08.12 | がん治療Q&A
肉腫に対する放射線治療
久ぶりに希少癌のカテゴリーの更新です。
局所・局所進行にある肉腫の根本的な治療はしっかりと切除範囲を確保した後半切除術です。再発率が高そうな場合に関しては放射線治療が術後に加えられることが多かったです。
再発率が高そうな肉腫というのは、原発部位・病理的悪性度・年齢などにより決定されます。
放射線治療をすると、傷が治りにくくなる、合併症が多くなる可能性があるとの理由から術前ではなく術後に行われるケースがほとんどです。
しかしながら、新しいガイドラインでこのようになりました。

術前に再発率が高く放射線治療が必要と思われる症例に関しては、術後ではなく術前に化学療法を行うことが強く推奨される。と記載してあります。
術前、術後でも再発率を抑える効果は一緒なのですが、長期合併症などは術前の方が少ない傾向にあるとのことです。
放射線治療がされた後の手術は肉腫以外でも外科医からは嫌われることが多いですが、今回のガイドラインなどからもしかしたら放射線治療後に手術を行うケースが増えてくるかもしれませnね。
2021.08.01 | 希少がんについて