小児へのコロナワクチン
小児へのコロナワクチン接種に関する情報がニュースなどで増えてきました。
先週に発表されたNEJMに安全性などの情報が載っていました。
5歳~11歳の小児に対して1回目、21日後に2回目の接種をすることによる抗体価と安全性の検証をしています。
第1相試験の結果からファイザーワクチンの容量は10μgとなっています。2268人の小児が対象となっており、1517人がワクチン接種、751人がプラセボ(偽薬)でした。
結果
コロナウイルスに対する抗体価は16歳~25歳の2回接種と同等の値が得られました。2回接種後の発症はワクチン群で3人、プラセボ群で16人とワクチンによる効果は90.7%となりました。
保護者の皆様が心配しているのは安全性だと思います。今回の結果では10μgでは、発熱・リンパ節腫脹・注射部位の痛みなどがあましたがいずれも数日で軽快しており、懸念される心筋炎などは起こらなかったようです。きわめて安全なワクチンと言えると考えられます。
アメリカでは約60%の小児が1回目のワクチン接種は完了しているとされています。打たれていない大きな理由の1つが保護者が安全性などを不安視してもう少し様子を見たいからとのことです。
小児で特徴的なのは多系統炎症性症候群(MIS-C)と呼ばれる疾患を合併する可能性が稀ながらることです。1月3日の時点でアメリカでは6400人の小児が発症して55人が死亡したとCDCから発表されています。102人のMIS-Cの患者を調べたところ95%がワクチン未接種だったということです。ワクチンを接種していれば発症リスクを大きく減らせる可能性が示唆せれています。
小児へのワクチンは(私の)想定よりも安全性が高く、効果も十分認められています。オミクロンに対しての効果としてはMIS-Cが防げる可能性が高いですし、前向きに捉えられる情報が多いです。
2022.01.13 |